2024.11.22
クリニックにとってレセプト点検はなぜ重要?効果的な点検方法も一挙公開!
「クリニックを経営するうえでレセプト点検が重要」と感じてはいるものの、「重要視すべき理由や効率化の方法についてはよく分からない」という医師も多いのではないでしょうか。
本記事では、クリニック運営でレセプト点検を重視すべき理由や、効率的にレセプト点検の精度を向上させる方法などについて詳しく解説します。レセプト点検の方法を見直し、正確なレセプト点検でより良いクリニック経営を実現しましょう。
クリニック運営でレセプト点検を重視すべき3つの理由
安定したクリニック運営を行うために、レセプト点検を重視すべき理由は以下のとおりです。
- レセプトはクリニックの収益に直結するため
- スタッフの雇用が難化しているため
- クリニック経営が難しくなっているため
それぞれ詳細を見ていきましょう。
理由1.レセプトはクリニックの収益に直結するため
クリニックでレセプト点検を重視すべき理由は、クリニックの収益に直結するためです。年齢などによって自己負担割合は異なるものの、受診時に1~3割分の医療費を窓口で支払います。残りの7割は、レセプトを提出することで、患者さんが加入する健康保険からクリニックへ支払われます。
レセプトはクリニックの最も大きな収入源です。レセプト点検が甘く、算定漏れや返戻・査定が多ければ、クリニック経営の圧迫につながりかねません。
クリニックの収入を減らさないために、レセプトは誤りなく作成する必要があるのです。
理由2.スタッフの雇用が難化しているため
クリニックではレセプト点検を簡潔かつ正確にできる方法を考える必要があります。なぜなら、医療事務経験者であってもレセプト点検ができる人材は限られており、スタッフの雇用が難化しているためです。
厚生労働省の発表によると、2024年11月時点の医療事務の有効求人倍率は「2」となっています(※1)。つまり、医療事務として就職したい人よりも、医療事務を求めている医療機関のほうが多い状況です。
日本では今後も精算年齢人口が現象し続けると予測されているため(※2)、よりレセプト点検が可能なスタッフの採用が難しくなる可能性もあるでしょう。加えて、DX化による受付の無人化といったスタッフ減少にも対応できるよう、属人化を減らす方法を検討する必要があるのです。
※1 厚生労働省|職業情報提供サイトjob tag 医療事務
理由3.クリニック経営が難しくなっているため
クリニックではより正確なレセプトを作成する必要があります。その理由は、著しい物価上昇や光熱費の高騰などにより、クリニック経営が難しくなっているためです。
また、2024年の診療報酬改定では、診療報酬本体は0.88%の引き上げとなりましたが、薬価や材料価格は1.00%の引き下げとなり、全体では0.12%のマイナス改定となりました。国の社会保障費用もひっ迫しており、クリニックにとっては非常に厳しい改定内容です。
クリニック経営が危機的状況である今、最も大きな収入源であるレセプトで減収とならないよう、誤りなく作成して算定漏れや査定・返戻を減らす工夫が求められるでしょう。
効率的にレセプトを点検する3つの方法
レセプトを点検する方法は、以下の3つです。
- 電子カルテの搭載機能を使用する
- レセプトチェックソフトを導入する
- レセプト代行を依頼する
それぞれどのような仕組みとなっているのか、具体的に解説します。
1.電子カルテの搭載機能を使用する
レセプトを点検するための機能は、電子カルテに標準搭載されている場合があります。電子カルテ内に存在するレセプトデータを読み込ませてチェックをかけ、チェック結果をもとに該当箇所を人手によって修正していく方法です。
点検できる項目や精度は電子カルテのメーカーによって異なるため、デモや打合せで担当者に確認し、自院のレセプト点検形態とマッチするか見定める必要があるでしょう。
2.レセプトチェックソフトを導入する
レセプトチェックソフトとは、レセプトを点検するための外部システムです。電子カルテ内にあらかじめ搭載されているわけではなく、別途導入する必要があります。
レセプトチェックソフトのメリットは、自院の特徴や返戻・査定の傾向などに合わせてカスタマイズできることです。電子カルテの標準搭載機能よりも細分化してチェックできるため、ミスの減少やレセプト業務の効率化が期待できます。
レセプトチェックソフトで点検できる項目例や、導入するメリットなどは以下の記事にて詳しく解説しているため、こちらもぜひご覧ください。
レセプト点検の実態を解説【効率化するならレセプトチェック機能の検討を!】
3.レセプト代行を依頼する
レセプト代行とは、その名のとおりレセプト業務を外部の業者に委託できるサービスです。電子カルテの搭載機能やレセプトチェックソフトと異なり、専門的な知識と経験を有するプロにレセプト業務を担当してもらえます。
プロの手に点検を依頼することで、精度の高いレセプトを作成したり、収益の向上が期待できたりする可能性もあるでしょう。
レセプト代行のメリットや注意点は以下の記事にて詳しく解説しているので、こちらもぜひご覧ください。
Coming soon
電子カルテの搭載機能とレセプトチェックソフトの違い
電子カルテに標準搭載されているレセプト点検機能と、外部導入するレセプトチェックソフトの大きな違いは「カスタマイズ性」です。レセプトチェックソフトであれば、自院の傾向などに合わせて、点検項目を細かくカスタマイズできます。電子カルテに標準搭載されている機能で物足りなさを感じる場合は、レセプトチェックソフトを導入することで改善できる可能性があるでしょう。
一方で、チェックの手軽さに関しては、電子カルテの搭載機能が優れています。レセプトチェックソフトの場合は、電子カルテやレセプトコンピューター内のデータをチェックソフトに読み込ませ、点検データを作る形式です。しかし、電子カルテの搭載機能であれば電子カルテ内でチェックが完結します。
しかし、電子カルテのレセプト点検機能やレセプトチェックソフトは、製品やメーカーごとに機能の差があります。オンライン請求後の査定・返戻対応 や返戻内訳書の読み込みに対応しているかといった点もご注意ください。また、画面の見やすさや操作性も製品によって異なるので、自院の特性に合わせて最適なシステムの選定が必要です。
効率的なレセプト点検方法はクリニックごとに検討が必須!
クリニックにとってレセプトは大きな収入源であり、レセプト点検は重要な業務です。物価の高騰や診療報酬改定による経営難化といった問題もあり、クリニックではより精度の高いレセプト作成が求められます。
レセプト作成の効率化や属人化を減らしたい場合は、点検機能が搭載された電子カルテを利用したり、レセプトチェックソフトを導入したりするのも一つの方法です。とはいえ、電子カルテのレセプト点検機能やレセプトチェックソフトは、製品やメーカーによって機能の差があります。
「契約したのにあまり効果を感じない」といった事態を避けるためにも、クリニックの特性を考慮する必要があるでしょう。目利き医ノ助では、クリニックの希望をヒアリングし、傾向に合わせて最適なレセプト点検方法を検討するお手伝いをさせていただきます。レセプト点検で悩んでいたり、新たな点検ツールの導入を考えたりしている方は、ぜひお気軽にご相談ください。