2024.10.16
クリニックに電話自動応答システムは必要?得られるメリットと注意すべきデメリット
「クリニックの電話対応が多く、医療事務の業務を圧迫している」
クリニックを運営されている方のなかには、このようなお悩みを抱えている場合も多いのではないでしょうか。本記事では、需要が増えている電話自動応答システムの詳細やメリット・デメリットなどについて解説します。
電話自動応答システムについて理解し、クリニックの電話対応を効率化しましょう。
クリニックに電話自動応答システムは必要?
近年、電話自動応答システムを導入するクリニックが増えているものの「実際にどのようなことができるのかわからない」という方も多いでしょう。本章では、電話自動応答システムの詳細や機能について見ていきましょう。
電話自動応答システムとは
電話自動応答システムとは、患者さんがクリニックに電話をかけると、自動音声が応答するシステムです。あらかじめシナリオを設定すると、自動音声がプッシュ番号を案内し、目的によって振り分けられます。
振り分けの結果、担当部署につないだり自動音声による案内をしたりすることが可能です。
電話自動応答システムの機能
メーカーによって差はあるものの、電話自動応答システムの主な機能は以下の3つです。
- 自動応答機能
- 振り分け機能
- 診療時間外の応対
たとえば、患者さんの目的が予約に関する問い合わせだった場合は、自動応答機能によって予約ページのURLをSMSで送付できます。スタッフが応対する必要がなく、電話自動応答システムのみで完結するため、業務量の削減が可能です。
また、電話自動応答システムの振り分け機能を利用すると、本当にスタッフ対応が必要な電話だけを受けられるほか、目的ごとに最適な担当者に電話がつながります。たとえば、患者さんではなく外注業者からの電話であれば、担当スタッフの回線につなげるといったことが可能です。
加えて、診療時間外の電話に対しては「診療時間内にお掛け直しください」といったメッセージだけでなく、緊急の場合は医師の電話に自動転送できるメーカーも。訪問診療クリニックで急変時の往診依頼などがあった場合は、曜日ごとにオンコール担当の先生につながるよう設定することもできます。
クリニックに電話自動応答システムを導入するメリット
クリニックに電話自動応答システムを導入するメリットは、以下の3つです。
- 医療事務の業務削減
- 医療事務の心理負担軽減
- 患者さんの電話待ち時間短縮
具体的にどのような効果が得られるのか、それぞれ順番に解説します。
医療事務の業務削減
電話自動応答システムの導入によって、スタッフの電話対応数が減少します。なぜなら、患者さんの電話の目的によってはスタッフが応答することなく、自動音声による案内のみで解決可能なためです。
電話対応数が減少すると、受付スタッフは来院患者さんの対応に集中できるため、より良いサービスの提供が期待できます。加えて、電話によって他の業務が中断されるケースも減少するため、診療費計算やレセプト業務といった仕事もスムーズに遂行できるでしょう。
電話に中断されずに診療費計算やレセプト業務に専念できるとミスが減り、ひいてはクリニックの収入にも良い影響があるため、電話対応数が減少すると大きなメリットがあります。
医療事務の心理負担軽減
電話自動応答システムを導入すると、医療事務の心理負担が軽減可能です。近年はチャットツールの利用拡大や電話機会の減少などから、電話対応にストレスを感じる人も増えています。
実際に、「発熱外来の問い合わせで1日に何度も受診を断るのが心苦しい」「どのような電話がかかってくるかわからず、クレームかもしれないと思うと心理的なストレスが大きい」といった医療事務の声も。
電話自動応答システムを利用すると、スタッフ応対が必要な電話のみを振り分けられるため、最低限の電話対応が実現可能です。スタッフの負担が大きい業務を減らすことは、離職防止にもつながるため、人材確保の面でも良い影響が得られるでしょう。
患者さんの電話待ち時間短縮
電話自動応答システムを導入することで、患者さんの電話待ち時間を短縮できます。通常の電話であれば、応答できなければコール音が鳴り続けたり、通話中であれば切電されたりしますが、電話自動応答システムを利用すれば通話ボタンを押してすぐに自動音声が流れるためです。
医療事務は患者さんの対応をはじめとした他の業務をしていると、すぐに電話に出られないこともあります。しかし、電話自動応答システムが対応することで、患者さんは通話開始までの待ち時間にストレスを感じづらくなるでしょう。
クリニックで電話自動応答システムを導入するデメリット
クリニックで電話自動応答システムを導入するデメリットは以下のとおりです。
- 綿密なシナリオ設定をする必要がある
- イレギュラーな内容には対応できない
患者さんの目的別に正しく電話を振り分けるためには、綿密にシナリオを構築する必要があります。シナリオの構築が甘いと、目的と異なる部署に電話がつながるといった事態が発生し、電話自動応答システム本来の効果を得られません。
また、電話自動応答システムはイレギュラーな内容には対応できないため、最終的にはスタッフが対応しなければならないケースもあります。人手による電話対応をゼロにできるわけではないので、注意が必要です。
しかし、電話自動応答システムを導入すると人手による電話対応数は減少し、電話に関する業務は効率化されます。結果的に、離職防止や増収といった効果も期待できるため、導入によって得られる効果は大きいでしょう。
電話自動応答システムのよくある質問
Q1.電話自動応答システムを導入するなら電話番号の変更が必要?
もともと設定していた固定電話の番号を使い続けることも可能です。クリニックの状況や期待する効果などによって最適な番号選択は異なるため、一度ご相談ください。
Q2.電話自動応答システムを導入するにあたって注意点はある?
電話自動応答システムの効果を最大限得るためには、電話での問い合わせ内容を分析し、導入目的や解決したい課題を明確にする必要があります。まずは、1日の電話数や問い合わせ内容、スタッフ対応が必要な問い合わせなどを把握しましょう。
電話自動応答システムを検討するときは目的や課題を明確に
電話自動応答システムを導入すると、クリニックは以下の効果が得られます。
- 医療事務の業務削減
- 医療事務の心理負担軽減
- 患者さんの電話待ち時間短縮
結果的に離職防止や増収といった効果も期待できるため、メリットは大きいでしょう。しかし、クリニックのお悩みが電話自動応答システムを導入で解決できる課題なのか、電話自動応答システム以外の選択肢はないのかといった検討も必要です。
電話自動応答システムを提供しているメーカーは多数あるため、機能や価格など重視するポイントによって選定も変わります。導入目的や解決したい課題が不明瞭な場合は、お話を伺ってご一緒に明確化することも可能です。
電話自動応答システムの導入で迷っている方は、ぜひお気軽に目利き医ノ助にご相談ください。