2024.07.24
レジ・自動精算機と電子カルテの連携って?効果的な連携パターンと注意点
近年、セミセルフレジや自動精算機の導入を検討するクリニックが増えました。しかし、「電子カルテとの連携については考えていなかった」という方も多いのではないでしょうか。セミセルフレジや自動精算機を使って効率的に会計をするためには、電子カルテとの連携が必要です。
本記事では、精算システムと電子カルテを連携させる方法や連携パターンについて解説します。電子カルテと精算システムの連携について理解し、自院に合ったパターンを取り入れましょう。
レジ・自動精算機と電子カルテを連携させる方法
精算システムと電子カルテを連携させる方法は、以下の3つです。
- バーコード連携
- データ(API)連携
- 連携しない
それぞれの特徴や違いについて詳しく見ていきましょう。
バーコード連携
精算システムと電子カルテを連携させるひとつ目の方法は「バーコード連携」です。会計金額をバーコードとして印字した領収書を発行し、精算システムに読み込ませることで支払いが可能になります。バーコード連携は、セミセルフレジを含むPOSレジでの利用がメインです。
バーコードを読み込むと自動的に金額が表示されるため、金額の打ち込みミスをはじめとしたヒューマンエラーを防げます。加えて、POSレジに商品の登録ができるため、支払窓口で物販品の購入を申し込まれたときに、レジ単体で追加会計が作成できるメリットも。
一方で、スタッフがバーコードを精算システムに読み込ませ、患者さんへ会計案内するケースが多いため、スタッフの負担軽減効果は薄いです。ネットワーク上で連携をしていないため、自動的に精算状況を電子カルテに反映させることはできません。
また、精算システム上に支払金額や支払時間などは記録されるものの、患者さんの情報とは紐づかないため、問題が発生したときに精算の詳細が分からないというデメリットもあります。
データ連携
会計システムと電子カルテを連携させるふたつ目の方法は「データ連携」です。電子カルテと精算システムをネットワーク上で連携させ、情報をやり取りします。
データ連携のメリットは、患者さんの情報に紐づいた精算に関する記録がシステムに残るため、問題が発生したときに対応しやすくなることです。また、電子カルテ(レセコン)で作成した会計情報がそのまま精算システムに反映されるので、バーコード連携と同様にヒューマンエラーも防げるでしょう。
一方で、データ連携した自動精算機で追加会計を作成する場合は、電子カルテ(レセコン)を挟まなければなりません。支払いのタイミングでコンタクトレンズやクリームなどの「物販品を購入したい」と申し出があると、バーコード連携よりも手間がかかります。
加えて、バーコード連携と比較してメーカーの選択肢が少ない点も注意が必要です。
連携しない
精算システムと電子カルテを「連携しない」というのもひとつの方法です。計算した診療費の金額をスタッフの手でレジに直接入力します。セミセルフレジを導入すれば、金銭の受け渡し部分は患者さん自身に行ってもらうことも可能です。
とはいえ、入力ミスが発生する危険性はおおいにあります。セミセルフレジで金銭の受け取りを自動化しても、請求する金額の入力が誤っていたら誤差が生じてしまうため、スタッフの負担は大きいでしょう。
バーコード連携とデータ連携の精算作業の流れ
バーコード連携とデータ連携では会計の流れが異なります。どのような手順になるのか、具体的に見ていきましょう。
バーコード連携の場合
診療費計算が終了したら、スタッフはバーコードが印字された領収書を印刷します。その後、患者さんを呼び出し、バーコードを読み取って精算の案内をします。
基本的にはスタッフの手によってバーコードを読み込み会計を行うパターンが多いです。一部では領収書を患者さんに手渡し、患者さん自身が精算を行うクリニックもあります。
データ連携の場合
データ連携でも、まずは診療費計算が終了したら患者さんを呼び出します。データ連携の場合は、患者さんを直接呼び出すほか、電光掲示板や専用アプリなどで計算の終了をお知らせすることも可能です。
その後、スタッフが精算の指示を出したり、自動精算機で患者さん自身が精算を行ったりします。
レジ・精算機と電子カルテの連携パターン
ここからは、電子カルテと精算システムの連携パターンを3つ紹介します。
- データ連携×セミセルフレジ
- データ連携×自動精算機
- バーコード連携×セミセルフレジ
整形外科など患者数が多く、通常外来とリハビリの患者導線を分けたい場合は、データ連携×自動精算機がおすすめです。一方で、対面で会計を行いたいものの、患者さんの属性情報と紐づけて未収金などを管理したい場合は、セミセルフレジ×データ連携を選択すると良いでしょう。
また、バーコード連携×セミセルフレジは、スタッフのIT化への対応が困難な場合に最適です。バーコード連携は、印刷した会計情報を読み込ませる操作以外は、これまでの運用とあまり変わりません。そのため、ITシステムの操作が苦手なスタッフであっても、抵抗が少ないでしょう。
レジ・精算機と電子カルテを連携するときの注意点
セミセルフレジでは、バーコード連携とデータ連携の2種類から選択する必要があります。しかし、メーカーによってはバーコード連携のみの対応に限られるといった場合も。加えて、電子カルテとデータ連携には相性があります。すでに電子カルテが導入されているクリニックでは、電子カルテのメーカーによっては精算システムとデータ連携できないケースもあるため、詳しい確認が必要です。
また、データ連携は導入する電子カルテ側にもオプション設定が必要な場合も。したがって、バーコード連携と比較すると高額になるケースも多いため、費用感の確認も欠かせません。
精算システムと電子カルテの最適な連携方法は、クリニックの状況や患者層によって異なります。導入後に「スタッフの労力削減を望んでいたのに、セミセルフレジ×バーコード連携を導入したらあまり効果を感じられなかった」といった齟齬が生じないように、しっかりと分析して連携方法を選定しなければなりません。
精算システムと電子カルテの連携は…
セミセルフレジや自動精算機は、スタッフの負担軽減のほか、患者さんの会計待ち時間を減らせるなど、クリニックにとって多数のメリットがあります。しかし、連携方法まで気にかけなければ、想定していた効果が得られないこともあるでしょう。
最適な連携パターンは、クリニックの希望や患者層などによって変わってきます。とはいえ、クリニックのスタッフだけで自院の状況を客観的に分析し、連携方法を決めるのは難易度が高いでしょう。
そんなときは目利き医ノ助にご相談ください。多数のクリニックでの事例をもとに、コーディネーターがクリニックに最適な連携パターンをご提案させていただきます。相談料は無料となっておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。