院長 高橋 辰徳先生
外来患者数/日 80名
スタッフ数 7名
導入製品
課題
効果
山形県天童市は、県庁所在地である山形市中心部から車で30分ほどの距離ながら「小児科不足を嘆く市民の声が市役所に寄せられていた(高橋院長)」という状況でした。地域のニーズに応えるため開院した天童ハート小児科は、直後から平均80名の患者さんが来院するなど、小児科専門医が率いるクリニックとしてすでに地域に欠かせない存在になっています。その運営を支えるITシステム選びのポイント、運用のコツを教えていただきました。
高橋院長:開業を考え始めたのは2年ほど前からです。それまで大学病院で小児循環器の専門医として、重い心疾患の治療に携わってきました。命を救うというやりがいがある一方で、関われる子どもの数は限られます。開業すれば「もっと多くの子育て家族に貢献できる」と考えました。山形県は全般的に小児医療不足が課題となっていて、特にこの天童市は深刻な状況でした。少子高齢化が加速し続ける中で「この町なら安心して育児ができる」「安心だから、2人、3人目もほしい」と思ってもらいたいというのが大きなきっかけです。
実は私にも4人の子どもがいますが、金銭的な制約のために夢をあきらめて欲しくない、ということも開業のきっかけの一つとなりました。
高橋院長:開院当初から多くの患者さんが来院されることは予想できました。実際には予想以上だったのですが、いかに効率的な診療体制を作るかを最も重視していました。
まず予約システムや事前の問診システムの活用方法によって、成果が大きく変わるだろうと考えたので、このシステム選びには時間をかけました。特にWEB問診は、メルプWEB問診システムを必ず導入したいと考えていました。
よく言われるように他業種と比べて医療分野のDXは遅れていると言わざるを得ません。小児循環器の専門外来では、全身に様々な問題を抱えているお子さんが多くおります。診察室で親御さんから診療方針決定に必要な最低限の情報を集めるだけでも非常に長い時間がかかり、待ち時間が長くなる原因となっていました。外来の前にあらかじめ情報収集できれば、お互いのメリットが大きいとずっと思っていました。
高橋院長:先駆け的な存在なので、初期から知っていたということ、また他社システムとも比較しましたが、ユーザーインターフェースもかわいらしくて親しみやすいですよね。LINEでメッセージをやり取りするような感覚で、若い親世代にも馴染みやすいだろうと判断しました。カスタマイズ性が高い点にも魅力を感じました。
高橋院長:自分なりにいろいろ試行錯誤を重ねています。他院の雛形を参考にしながら、実際に運用してからも微調整を繰り返しています。カルテに載せる文言をシンプルにし、瞬時に患者さんの状況を把握できるようなレイアウトにまとめることにはこだわっています。問診ではつい多くの情報を集めたくなりますが、問診を入力してくださる保護者の方の負担とのバランスにいつも頭を悩ませています。
ラベル機能も活用しています。「本人が発熱している」「家族に新型コロナウイルス感染者がいる」といった情報を色分けして表示したことで、事務スタッフが見た瞬間に、発熱外来での対応が必要だと分かるので、受付での振り分けもスムーズになったんです。駐車場の一角には、車から降りずに診察を受けられるドライブスルー方式も用意していて、患者さんの満足度向上にもつながっています。
高橋院長:初めて目利き医ノ助で相談に乗ってもらったところは、頭の中はもうクラウド一択でした。初期費用が安いですし、なんとなく「これからはクラウドの時代」だと思っていたんです。ただ、来院数が多くなることが予想されたので、レスポンスの速さを重視するようになりました。たまにネットワークが不調になってしまい、クラウド電子カルテが使えなくなったという話を聞いて、リスクを感じるようにもなったんです。
高橋院長:目利き医ノ助に紹介してもらった複数の候補のうち、MEDICAL PASSを選びました。Web問診のメルプとの連携もスムーズだったことや、ホームページの制作もセットで依頼できたことは、便利でした。
予約システムの運用も日々改善を重ねています。毎晩、翌日の予約状況を確認し、予約枠の調整を行っています。基本的な考え方として、30分で8名を診察できる計算で予約枠を設定し、予防接種や慢性疾患の患者さんの予約状況に応じて、当日の順番予約の受付人数を調整しています。すでに予約済みの人数を、診療可能人数から差し引いて、当日の予約ができる人数を決めているんです。エクセルでシミュレーションしながら調整していますね。
高橋院長:この拡張型キーボードである「StreamDeck」は、代表例ですね。それぞれのボタンに病名や検査項目を登録しておいて、ボタン一つで入力指示できるのでもはや手放せません。ボタンを見なくても、指で場所を覚えてくると、患者さんに聴診器をあてながら、空いたほうの手で操作できるんです。電子カルテを打ち込む時間がなくなれば、患者さんの様子を見ていられます。
これこそ、DXだと思います。つまり人手を介さなくてもできることをITにやってもらうことで、我々は患者さんのつらさ、痛み、親御さんの心配な気持ちを受け止める時間を増やすべきだと考えます。医師に限らず、スタッフの業務をどんどん改善し、その分、人の温かさを大切にしたいと、スタッフにも伝えているんです。
高橋院長:まずAIの積極的な活用に取り組みたいですね。今は論文を検索する程度ですが、たとえばワクチン証明書の作成など、実際に業務の効率化につなげられそうだと感じる場面も出てきています。日々の忙しさが原因ですぐに着手できない点もありますが、今後は業務全体の改革や効率化にAIをもっと活用したいです。
予約外で来院した患者さんの病歴をすぐに把握できるように、 私は各患者さんのショートサマリーを作成していますが、深夜残業になってしまうことも少なくありません。シュライバー(医師事務作業補助者)やAIを使って改善していく必要があると感じています。
病気の子どもはもちろん、子育て世代の親御さんに寄り添える医院になっていきたいと思っています。育児は孤独で心が折れそうになることも多いと思います。そんなとき、「ここに来れば温かく迎えてもらえる」「ちゃんと話を聞いてもらえる」と感じていただける場所でありたい。そのためには、更に業務効率化を進めて、患者さん・親御さんに向き合う時間をもっと多く確保したいと考えています。
「本当はもう1人子どもが欲しいんだけどな…」と思っていても、様々な逆風にさらされて諦めている親御さんがたくさんいらっしゃると感じています。そんな親御さんたちの「子どもが欲しい」という思いを後押しできるような、そんな医院を目指していきたいと考えています。
クリニック名 | 天童ハート小児科 |
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院長 | 高橋 辰徳先生 |
所在地 | 山形県天童市泉町1丁目7−3 |
医院紹介 | 2024年10月開業。車で来院する患者にあわせた十分なスペースの駐車場、ベビーカーを押したまま入れるバリアフリーの院内、子どもが不安にならないよう工夫された空間など、患者目線の施設づくりを実践し、市内外から訪れる多くの子どもたちの診療にあたる。 |
作成日 | 2025年2月 |