導入製品
課題
効果
長友院長:おかげさまで、集患についてはほぼ心配することなくここまで来られました。120名を超える患者さんが来られていて、医師が1人で診られる限界に近いかなという感じです。病院ではやや特殊な症例を扱っていたのですが、クリニックの手伝いも5年以上経験していたので、診療面での不安はありませんでした。
長友院長:はい。バイト先もそうだったのですが、耳鼻科はお子さんの割合が高いので、お子さんとそのお母さんを意識していたのですが、意外と20~30代くらいの来院が多いですね。接遇は力を入れていて、外部の講師に研修してもらったり、患者さんにとって通院しやすい空間づくりを目指しています。
長友院長:患者数の多い耳鼻科では珍しいかと思いますが、時間帯予約制とすることで受診される患者さんの待ち時間を減らしたいと考えてきました。トータルの予約の上限枠は1日110件ほどに設定してあり、その中を4つに分割しています。
初診、再診、花粉症外来、発熱外来の4つです。開院当初は初診枠を多く設定していましたがだんだん再診枠を増やしています。再診と花粉症の方は診察時間が短めで、初診のほうが長くなる傾向にあるので、そのときどきで最適なバランスを微調整しています。
直接来院される患者さんが20人ほどいらっしゃるので、予約の方もふくめて番号札をお渡しして番号で呼び出しを行っています。プライバシーの配慮も兼ねていますし、まずまず効率のよい運用ができていると思います。
患者さんにアプリのダウンロードを強くお願いはしていませんが、少しずつ利用率が上がり7割弱ぐらいまでに達したので、患者さんからも好評といっていいのではないでしょうか。
長友院長:そのとおりです。開業時から「とにかく患者さんを無駄に待たせたくない」という思いがありました。バイト先のクリニックで経験していたので、早く当院でも導入したいと思っていたのがシュライバー(クラーク)です。電子カルテへの記入は私の隣に座った事務スタッフが行ってくれるので、私は診察に集中できます。導入により診察速度は明らかに向上しました。
それに患者さんからパソコン画面へと目線を移す必要がないので、患者さんとの会話も増えるんですね。結果的に、診療の質や患者さんの医療満足度も向上したという手ごたえを感じています。
長友院長:スペースの関係で横並びにしています。L字型のほうが一般的なようですね。シュライバーの前にはモニターが2つあって、1つは医師が見ている電子カルテの画面が表示されています。もう1つは紹介状の作成など事務作業を行うためのモニターですね。マウスも2つあって、それぞれのモニターのポインターを動かせるような仕掛けになっています。つまり私がマウスを動かしているときに、シュライバーも操作すると干渉してしまうんですね。このあたりの操作が肝になります。
長友院長:直後は少し効率が下がりましたが、慣れるまであっという間でしたね。私より事務スタッフの力が大きいと思っていますが、1人は以前に勤務していた総合病院でシュライバー業務の経験がありました。もう1人も医療事務経験があったので、慣れるまでとてもスムーズでした。
医学的な知識は重要ではないですね。ある程度、疾患のパターンは決まっているので、それを覚えるのは難しくありません。PCの操作スキルやタイピングの速さは必要ですが、最も大事なのは、相手と呼吸を合わせて動くセンスです。バドミントンや卓球のダブルスを思い浮かべていただくといいかもしれません。シュライバーも医師も、互いの呼吸にあわせる意識は重要です。
長友院長:カルテを書かないタイミングでの一瞬の判断が、効率を大きく左右します。泣いている子どもをあやしたり、検査の準備に手間取っているお年寄りの介助をしたり、シュライバーが持ち場を離れる勇気もすごく大切なんです。やればやるほど、連携が上手になっていく感じです。また安定してきたので、3人目、4人目とシュライバーが増えつつあるのも頼もしいです。
シュライバーのおかげで130人の診察が定時にほぼ終えられています。すると、私自身の疲れも全然違います。もともと待ち時間は10~15分以内にとどめたいという思いが強いので、1人で診察と記入を行っていると焦ってしまうんですよね。開院当初から自動精算機を入れたのも患者さんの利便性を考えてのことです。クレジットカードや電子マネーの決済に手数料がかかったとしても、導入しないという選択肢はありませんでした。
長友院長:再診の多さはクリニックの過去を、初診の多さはクリニックの将来を表しているなどと、経営セミナーでもお聞きします。1年経てば理屈上は、少しずつ初診が減っていきますがだいたい3割ぐらいが初診の患者さんです。この数を今後も維持したいですね。
長友院長:実は2つの意味があります。1つは集患、もう1つは近隣に新たなライバルが増えるのを抑えたいというねらいです。開院する際に診療圏調査を行いますが、この近くで開業していた先生が高齢になってまもなく閉院することが決まっていました。だから、患者さんにはむしろ新しいクリニックができてよかったと言ってもらえました。
だからGoogleに広告を出稿しているのも、ホームページの更新に力を入れているのも、他の先生が「このクリニックはしっかりしていそうだな、近くで開業するのは辞めておこう」と思ってもらいたいですよね、いわば防御の発想です。
長友院長:これまで医師は私1人で診察にあたってきましたが、段階的に2診制に移行しようと思っています。予約枠がいっぱいになると受診できないため、潜在的な医療ニーズにお応えできればと思います。2診になってもシュライバーがいてくれることで、診療の質を保つために大事な役割を担ってくれると思っています。
患者さんの満足度にこだわって、スタッフが働きつづけたい、また家族や友人を安心して任せてもらえるようなクリニックでありたいと思います。
クリニック名 | 池袋ながとも耳鼻咽喉科 |
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院長 | 長友 孝文先生 |
所在地 | 東京都豊島区上池袋4-29-9北池テラス4階 |
医院紹介 | 2022年12月開業で取材時は開院後ちょうど1年のタイミングでした。カフェを思わせる空間であり、子どもが靴を脱いで遊べるスペースも確保するなど、患者さんがストレスなく過ごせるように配慮されたクリニックづくりが徹底されています。 |
作成日 | 2023年12月 |